歌舞伎
バイオ乾燥機の超低温乾燥技術が
歌舞伎の「檜舞台」に
本舞台、花道、各部屋などの床にはバイオ乾燥の檜が採用されました。
(1)歌舞伎「檜舞台」のヒノキ伐採現場
神奈川県丹沢 百年檜の伐採現場
百年檜の葉枯らし乾燥
1本ごと検証
集材
搬出
神奈川の丹沢檜の特徴(当社の考察)
a: 地形:樹木の育成に極めて適した地形である。丹沢は、他の地域の檜産地と異なり、子供の遠足や家族のキャンピングに使われるほどで、険しい山地でないがため、全地域が豊富な腐葉土で形成されている。これは、森林生態系において地上部の植物により生産された有機物が朽木や落葉・落枝となり地表部に堆積し、大小様々な土壌動物による生化学的な代謝作用により分解された土が丹沢には豊富であることが特徴である。そういう点では丹沢檜の生育地が、肥沃な土地で形成されている里山と類似しているとも言える。
b: 水が適切に豊か:丹沢のいたる場所に小川があり、水が豊富である。一般的に檜の植林地は高所にあり、地形は割と険しく、根の周りに水が少ない。丹沢檜の根系は、水が地中に適切に豊富であるため、細根は地中広く、太根は地中深く這いわたり、1年中、そして100年間、地中の水をムラなく吸い上げてきた。これは樹木にとり生育環境が極めて良い場所であると言える。
c: 細胞形成:樹木の木部形成には、季節的変化、水量、地形などにより大きく影響を受ける。神奈川の丹沢檜を1本1本、伐採した切り口を観察すると、どれも100年間の年輪の幅はほぼ等しく、よって生育に必要な環境に恵まれていることが判断できる。
>> 歌舞伎座檜の伐採現場
(2)歌舞伎「檜舞台」の製材現場(三重県)
製材された百年檜の43mm厚板は、天然乾燥のためナニハ木材の天然乾燥用倉庫の中に移され、約15か月の間、天然乾燥が実行されて、含水率は30%以下にまで下げられた。
(3)歌舞伎「檜舞台」のバイオ乾燥現場
>> 歌舞伎座檜とバイオ乾燥機
>> 歌舞伎座檜とバイオ乾燥材
バイオ乾燥機が関与した歌舞伎「檜舞台」や国立劇場の舞台などのヒノキ床板を乾燥する場合の設定温度は35℃前後で、含水率は12%以下に下げられる。仕上がり材は、材中の含水量を最低レベルまで下げたことと、細胞を破壊させていないことから強度が増長し、舞台上で使用される大道具や激しい人の移動に対しても傷がつきにくく、長期の使用に耐えることが出来る。
(4)歌舞伎「檜舞台」に納材されたバイオ乾燥材の乾燥手順
>> バイオ乾燥材の乾燥手順
(5)歌舞伎「檜舞台」の乾燥確認
乾燥後に、含水率計測器で12%以下であるかを確認する。
乾燥にばらつきがあるかどうかを重量で再確認する。
>> 歌舞伎座檜の乾燥確認
>> 檜舞台