東大寺・総合文化センター
東大寺・総合文化センター工事の 伐採からバイオ乾燥まで
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1) 伐採条件と材の選定基準
産地の特定が重要でした。そのため吉野と木曽の産地に入りました。いずれも高品質なヒノキでしたが、弊社が求めた産地の条件は、
- 伐採地が低めで平坦であること。(吉野と木曽は無理でした)
- 100年以上の手入れがされていること。
- 予算に合うこと,でした。
意外にも予測していなかった神奈川県丹沢のヒノキに決まりました。これらの3条件を満たしていたからでした。
平坦地であるため成長過程での細胞内の水移動が安定し、よって細胞形成にばらつきが無い。100年以上の手入れが成されている神奈川県丹沢ヒノキであるが、平坦地で100年以上の手入れの2つの条件を持つ理想の山は日本では非常に珍しい。
伐採されたばかりの丸太に10mm間隔で溝を入れ、各々の間隔が安定に維持出来るか、動くかどうかを見る。良材はなかなか動かない。
大断面の構造材には伊豆天城峠のスギ官材が使われた。
2) バイオ乾燥材
当工事に使用される全ての木材の条件は、
- 長期保存のために、細胞を破壊しない乾燥工法であること、
- 構造材の含水率は全て15%以下、板材は12%以下、フローリング材は8%以下であること、
- 狂いや割れがないこと、
- 角材及び平角材には背割り処理をしないこと、
- 丸柱には背割り処理をしないこと、でした。
以下の材は東大寺・総合文化センター建築工事に使用されたバイオ乾燥材です。
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