旧浜離宮・松の茶屋
旧浜離宮・「松の茶屋」の復元について
浜離宮恩賜庭園は、特別名勝・特別史跡であり、金閣寺や銀閣寺と同レベルの数少ない需要文化財建造物です。「松の茶屋」は、1654年に松平綱重によって甲府浜屋敷としてつくられ、綱重の子・綱豊が6代将軍・徳川家宣になったのを機に、浜御殿と呼ばれる将軍家別邸となりました。しかし、関東大震災や空襲の際に大手門や茶屋などのほとんどが焼失。昭和21年に東京都は浜離宮恩賜庭園の名称で開園し、平成20年に焼失した「松の茶屋」の復元工事を始めました。
>>特別名勝・特別史跡
工事現場紹介
1)伐採条件と材の選定基準
材の選定条件は、江戸時代の図面通りに従うことでした。下記の材は岩手県の地松です。
2)薬剤注入作業
「松の茶屋」復元工事には、構造材の多くが、細胞が硬い日本ツガであったことから、薬剤濃度とその注入時間、及びドブ漬け温度に最新の注意をはらいました。
3)バイオ乾燥作業
左はドブ漬け作業を終えて1日養生した構造材です。右はバイオ乾燥を1ヶ月間実施した構造材です。乾燥後は防腐・防虫・割れ止め、変形防止の機能が発揮します。
4)使用したバイオ乾燥機
旧浜離宮の工事は2年間の大型プロジェクトでした。そのため、使用したバイオ乾燥機は、木下林業(千葉県)、三幸林産(東京都)、キムラ工房(山梨県)、伊豆木材市場(静岡県)、ナニハ木材(三重県)にて合計8台をフルに使用しました。
5)作業現場
全ての構造材には防腐・防虫・割れ防止・曲がり防止の各種薬剤が全細胞に注入されています。注入技術は温度にあります。薬剤が一度注入されたら材の細胞の中で結晶化されて出ることが出来ないため薬剤は半永久的に閉じ込まれます。これが弊社の長期保存技術です。